慢性咳嗽にお悩みの方
いつも咳をしている、そんな人はいませんでしょうか?内科診察の中でよく相談を受けるケースです。その中でここ最近見た症例があります。「かなり激しい咳をし、痰が絡む、夜間、朝に特にひどくなる。でも発熱はない」
このようなケースの方はいないでしょうか?咳嗽はかなり激しい発作的に出ると呼吸も苦しいという方がいました。よくあるのは「喘息」が鑑別として挙げられますが喘息は真っ先に疑うためすぐに否定されたりします。
さて特徴的なのは「感染を疑うような発熱などはなく肺炎像もなしCTでも特に明らかな病変はなし」です。こうなるとますます喘息ぽいなと考えますが、β作動薬を使用しても改善はなく喘息ぽさはなし。堂々巡りを繰りかえします。
しかしある疾患が最近増えてきているのをご存じでしょうか。Covid-19 でもなく、でも感染症のひとつ、、、
その正体は「百日咳」です。臨床を経験していても本物を見たことがない医者はたくさんいます。自分はここ最近何人かその咳を見てきたため「なるほどこれが百日咳の咳なんだな」とよくわかりました。
それは「咳の後に呼吸が吸えなくなるような呼吸をしているのです」これを医学専門用語で「吸気時喘鳴」といいます。わかりやすいのは息を吸おうとしてもオットセイみたいな声を出す感じだったり大きな声を出すような喘鳴です。
しかも痰がかなり粘性でひっかっかるためゼロゼロとした湿性の咳嗽があります。もし1週間以上も発熱もなくむしろひどくなってきて咳が残る方がいたらぜひ受診してください。同じような症状が家族に何人かいる方もかなり疑わしいです。
百日咳は徐々に落ち着くため放置されますが本当に長い期間、夜間や朝に発作的にこの咳がでて「嘔吐」したりもします。これは本人だけが辛い思いをし、採血では炎症もないため咳止めを出されるだけで放置されることもしばしばです。
咳を落ち着かせる様々なレシピがあるようです。当院ではそうした咳のための処方も行っています。慢性の咳にお悩みの方は是非ご相談ください。
2025年09月07日 10:28