伊勢医科歯科クリニック|埼玉県富士見市針ケ谷|内科併設

内科も併設しているため全身疾患をお持ちの方も安心して歯科治療を受けられます。

マタニティ歯科ってなに?

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近頃、歯科でも「マタニティ歯科」という言葉を散見します。内容をよく見ると何か特別なことをしている感じはないのですが。。。
私の考えでは妊婦に関しての治療は結局のところ「一般的な歯科治療、歯科メンテナンスを行う」こと以外はないと考えます。
妊娠期は女性には様々な変化がありますが歯科的な側面でいえば「妊娠性歯周炎」などの歯周病疾患の悪化をきたすということです。これは妊婦は「胎児」という別個体をはぐくむため異物を排除しようとする免疫機構が低下せざるを得ないため、様々な感染症にかかりやすくなる影響によるものです。しかし出産後はやがて落ち着きます。歯周病が胎児への影響に触れられた論文もあるため見逃せない疾患ではありますが。いずれにせよ通常の歯周病のメンテナンスと行う内容はほぼ変わりません。
なぜなら侵襲的な歯周病治療は内服や外科的処置、観血的な歯石除去、これらはすべて一時的な菌血症を引き起こすため母体に影響を及ぼすだけではなく胎児にも影響を及ぼすからです。そのため行える歯周病治療は歯ブラシ指導や、生活習慣の指導、また食事などでしょう。また軽いお掃除までといえます。これは
「マタニティ歯科というよりも、通常診療で行っている内容」です。
自分は研修で産婦人科で研修をした際に帝王切開のオペに入り何回となく出産に立ち会いました。その時取り上げたお子さんはもう4歳になる頃でしょうか、指導医に帝王切開の際に「縫合が甘い!もっときつく!」と叱咤されたことを思い出します。
切開した子宮を縫合する際には太い縫合糸でかなりの力を入れて縫合します。出産後に子宮は収縮するため糸が緩んでしまうと術後出血につながるためです。指導医に言われるままに日々必死に縫合をしました。この研修では死産の方も担当したことは貴重な体験でした。
産婦人科の研修ではこうした様々な経験で母体について学びました。そういう意味ではやはり専門的な知識のないまま漫然と妊婦の治療に介入するべきではないと思います。産婦人科研修も行わない歯科医が妊婦に対してのどの程度医学的知識を持っているのか、はなはだ疑問ではあります。
自分が妊婦に対して注意すべきことを上げるとすれば2点ほどあります。先ほどの「妊娠性歯肉炎・歯周炎」ともう一つは「親知らず(智歯)」についてです。
結論から言うと「妊娠前に智歯は抜歯すべき」または「智歯の虫歯治療は妊娠前に終わらせるべき」ということです。
妊婦さんの治療で非常に困ったのは「虫歯を伴った親知らずが腫れたとき」です。これは使用できる抗菌薬、鎮痛薬、、期間など非常に制限があるため難しいです。また虫歯治療が積極的にできない際には対処療法となります。
自分が経験した方は親知らずの抜歯を進めていたものの虫歯になりさらにその後妊娠が発覚したという経緯の方でした。何とか治療を行いその後無事に出産をしましたが、この経験をもとに、やはり今後子供を産むことを考えている女性にはできれば20代の早いうちに抜歯をすることをお勧めしています。(親知らずに関しては別の機会にまたお話ししようと思います。)
実際に大学病院では親知らずの抜歯をしなかったために敗血症性ショックになっていた重症症例を経験しました。
妊婦で親知らずが痛みだすことは経験上非常に多いです。しかしその場合は対処療法のみで対応せざるを得ないということです。


 
2025年06月15日 10:44
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